IQVIAジャパン グループ(東京都港区:会長 湊方彦)は、CSO事業部門の全社員1,500人超に対し、「IQVIA Remote Detailing」を一斉導入することを5月21日に発表しました。
この「IQVIA Remote Detailing」は、IQVIAグループが開発したリモートディテーリングのプラットフォームとして世界46カ国で20年以上の運用実績を有し、IQVIAジャパン グループでは、CSO事業部門に所属するコントラクトMRおよびMSL、クリニカルエデュケーター*1などのフィールドでの活動を担うおよそ全ての社員が、お取引先様での医薬情報活動において、このプラットフォームを標準的に活用できるようになることを目指します。
またこれにより、IQVIAジャパングループでは、本プラットフォームのディテーリング現場での推進にあたり、これまでCSO事業で培ってきたディテーリング現場の経験や知見に基づくノウハウを備えた人材が、このプラットフォームの導入や運用を進めるといった“リモートツール”と“人材”を統合した「ハイブリット型 リモートディテーリング ソリューション」をご提供していきます。
新型コロナウイルスの感染拡大が国内でも深刻化を続ける中において、MR等による医薬情報の提供・収集・伝達活動にも影響が広がっており、医薬情報の滞りによる医療アウトカムへの影響を最小限に抑えるためにも改めてリモートディテーリング推進の機運が高まっています。
一方、国内製薬各社では、かねてより医療用医薬品市場の成長鈍化や、5GなどIT環境の飛躍的な進展等を背景として、営業マーケティングの効率化や生産性向上、働き方改革への対策としてリモートディテーリングの導入が始まっていますが、医薬情報という機密情報に対応したセキュリティの確保や導入現場における新しい手法への心理的抵抗感、さらにデジタルリテラシーや遠隔コミュニケーションなど従来活動に加えてのスキルの獲得等、製薬企業側、医療者側の双方にハードルがあり、今後の効果的な活用に向けては、それら課題の解決と同時に活用そのものの更なる加速が必要です。
そこで、IQVIAジャパン グループでは“リモートのツール”と“ノウハウを持つ人材”を統合する「ハイブリット型 リモートディテーリング ソリューション」について、全CSO事業の社員をもってのご提供体制を整えます。これにより、お取引先様のリモートディテーリングの導入にあたっての課題の解決や効果的な運用を進め、医薬情報活動の継続をご支援してまいります。
IQVIAはグローバル規模でCSO事業においても、当社が持つ「専門性」、世界規模の「データ」、最新の「テクノロジー」、高度な「分析力」から成る総合力*3を原動力とし、従来のコントラクトMRサービスの枠組みを超えたソリューションのご提供を強力に推進しており、今般の新型コロナウイルスのような有事にあっても、日々の医療に資する医薬情報活動を安全に継続できる仕組みづくりをご支援するとともに、より効率的・効果的なデジタルの活用により、新たなコマーシャルモデルの構築、生産性革新や働き方改革にも貢献していきます。
「IQVIA Remote Detailing」とCSO事業部門1,500人超への導入にあたっての取り組みの詳細は以下をご覧ください。
医師、薬剤師、看護師等の医療者に対するディテーリングに特化したリモートプラットフォームとして、IQVIAグループの旧カドリッジ社が開発、20年にわたり米国・英国をはじめ世界46カ国で250以上のハイブリッド型プロジェクトにおける運用実績を有し、20以上の疾患領域で広く活用されています(2018年時点)。
機能と特徴:
- 事前に専用プログラムをインストールする必要もなく、インターネットとWebブラウザだけで、すぐにオンライン面談を始めることができます
- 使用する端末に搭載されているオーディオデバイス(マイク・スピーカー)を使って音声(VoIP)を、カメラを使って映像(Webcam)のやりとりができます
‐ CRMをはじめとする活用中のシステムによらず、独立したものとして使用いただけます
‐ ハッキングやウイルス感染、個人情報流出など各種リスクへの対応など、安全性を担保する環境下で使用いただけます。また、システムエラーや通信障害が少なく堅牢な動作環境です
‐ コンテンツは管理者により承認が行われ、サーバにアップロードされたもののみを選択し、参加者(医療者)と共有します。そのため誤ってバージョンの古いコンテンツを使用したり、デスクトップ画面が見えてしまうなどのリスクはありません
‐ オンラインによる詳細説明のみならず、医療者自ら、アンケートの回答や資材のダウンロードができ、円滑なコミュニケーションを継続できます
‐ 画面上でポインターを共有することによって、スムーズなコミュニケーションをサポートします
‐ 面談内容は結果ログとしてエクセル形式で出力することができます。いつ、誰が、誰に、何の資材を使ったかなどの情報を記録として残すことが可能です
‐ 予め用意された承認済み資材以外にも、柔軟に資材等の追加・利用ができますが、すべての面談結果はログとして安全に記録されます
CSO事業部門に所属するコントラクトMRおよびMSL、クリニカルエデュケーターなどのフィールドでの活動を担うおよそ全ての社員が、お取引先様での医薬情報活動おいて、このプラットフォームを標準的に活用できるようになることを目指します。
これに向けて、当社ではトレーニングをはじめとする以下の施策を推進しています。
CSO事業部門全社員を対象とするトレーニングコースの設置:
IQVIAのCSO事業部門が独自の教育体系として有する、MRの付加価値を高めた次世代ヘルスケア人材の育成を目指す「IQVIA Campus」という教育システムに、デジタル人材専門コースを新たに設置します。
同コースでは、IQVIAでデータ・テクノロジーのトレーニングを専門とする社員などを講師に、国内外のプロジェクトで集積した“リモートディテーリング活用の落とし穴とその対策”など、より効果的な導入や運用にあたってのノウハウの共有にも主眼を置いて展開しています。
本格導入に向けて:
IQVIA社内での会議や面談、採用活動など、自社での活用も通じてより多くのノウハウを拡充し、国内製薬企業に対して、リモートディテーリングを標準装備したMRチームや、支店・営業所など現場ベースでのリモート推進支援に特化したフィールドトレーナー等の、人材とテクノロジーを融合したハイブリッド型ソリューションの提供を本格展開していきます。
<ご参考資料>
リモートディテーリングプラットフォーム「IQVIA Remote Detailing」操作画面
リモートディテーリングに関するIQVIAグローバル調査レポート
「THE POWER OF REMOTE PERSONAL INTERACITONS」
日本に先行してリモートディテーリングが導入・活用されている欧米では、リモートディテーリングに対する医療者の肯定的な評価やニーズが明らかとなっています(2018年)
‐ リモートコミュニケーションに関するプライマリケア医、専門医、看護師101名を対象とした調査(2017年実施)
‐ リモートディテーリングのメリットとして「予定変更が簡便」、「予定に組み込みやすい」、「対面より効率的」、「オンラインで情報入手できる」について70%以上が評価
‐ 医師の79%が「処方増加に影響があった」、専門医では73%が「処方増に大いに影響があった」と回答
‐ 約4分の3がリモートによるアプローチはプロモーション・コンタクトの未来であると感じており、医師の半数以上、看護師の83%が「対面とオンラインの両方の選択肢があること」を希望
「予定変更が簡便」、「予定に組み入れやすい」、「対面より効率的」、「オンラインで情報入手できる」について70%以上が評価
すべての項目の満足度が7割超。担当者への質疑応答(51%)、視覚的に提供提供を受けられる(47%)、実施場所の柔軟性(46%)で非常に満足度が高い
全体の約8割が「処方が増加」、 専門医の73%が「処方が大きく増加」と回答(「やや増加」を加えると9割超)
レポートの全文「THE POWER OF REMOTE PERSONAL INTERACITONS」はこちらから無料でダウンロードいただけます。
https://www.iqvia.com/ja-jp/library/white-papers/the-power-of-remote-personal-interactions